以下の文はスミソニアン研究所の一研究員がクナ族の居住する地域で環境教育のために活動した体験記録です。スミソニアン研究所はパナマ運河のために造ったガツン湖の真ん中にあるバロ・コロラド島に設置されています。世界各国から科学者が集まって、熱帯の…
パナマの先住民族は先進国やパナマ国内でも見られない自然を破壊しない生産方法を独自に編み出し、それを実践しています。現在、そのやり方が先進国でも注目されており、南米の国々でもそれを学び、実践しつつあります。以下は、パナマの研究員がその実態を…
先住民族 エンベラ・ウンナン族 パナマの先住民族の代表として、クナ族と並ぶエンベラ・ウンナン族を紹介します。 エンベラ族の女性 エンベラ族はコロンビア西部のチョコ地域に住んでいたチョコ族の分派です。チョコ族の源流はアマゾン川流域です。エンベラ…
先住民族クナ族 クナ族の女性 パナマの国の特色としてまず挙げられる点として、先住民族と平和共存していることだと思います。もちろん長い歴史にはパナマ人と先住民族との熾烈な戦いがありました(詳細は後記)が、結果自治権を獲得し、共栄の道を選び今日…
バティスメントス海洋国立公園 バスティメントス海洋国立公園はボカス・デル・トロ群島の中にあります。群島は約70の島から成り立ち、一番大きなコロン島に州都ボカス・デル・トロの町があります。バスティメントス島の周囲はサンゴ礁、マングローブ、湿地帯…
アミスタット国立公園(3) 私と妻がロス・ケッツァレス・ロッジを訪ね、その時、ケツァールを観察できた情景を妻が下記の紀行文で記しています。この文は埼玉市民文芸にも掲載されました。 妖精の森の中に包まれて アミスタッド国立公園は、中をコスタリカ…
アミスタット国立公園(2) コスタリカと二分している公園は世界でも生物多様性が最も多い地域の一つで、数多くの固有種も生息しています。ジャガーやピューマ、オウギワシなどの大型動物も。公園の入り口にある町がグァダルーペです。この町の中心にバード…
アミスタッド国立・国際公園(1) アミスタッドとは友情という意味で、その名の通り、パナマとコスタリカで二分されている国際公園で世界自然遺産にも指定されています。パナマの中央を走っているタマランカ山脈に接している一番奥地の高い地域に公園があり…
ボルカン・バルー国立公園 パナマで唯一の火山で、パナマの最高峰、3478mのボルカン・バルー山が真ん中にある国立公園です。公園のほとんどがその山のふもとになります。コスタリカと二分しているアミスタット国立公園とボケテの間に位置しています。山の頂…
ボケテ地域(4) 2006年、私と妻はフィンカ・レリーダのロッジを訪れました。その時の様子を、ロッジのオーナーのジョン・コリン氏の印象を中心に、妻も紀行文を記載しました。 『フィンカ・レディーダ』 ジョン・コリン氏を偲んで フィンカ・レディーダコ…
ボケテ地域(3) 最初、フィンカ・レリーダに妻と行ったのは、今から20年ほど前になると思います。まだ、その時はフィンカ・レリーダというロッジはありませんでしたが、それから5年後、ロッジができたというので、見聞のため、さっそく妻と行ってみること…
ボケテ地域(2) ボケテの町から、少し山に登った所に農園とホテルを営んでいるフィンカ・レリーダがあります。広大な敷地にコーヒーを栽培し、あとの大半は原生林を残しています。そこには世界一美しい鳥といわれる鳥、ケツァールが生息し、時期には、必ず…
ボケテ地域(1) ボケテはパナマの国の最も西にある、コスタリカに隣接したチリキ州の山に囲まれた中にあります。チリキ州は中米の真ん中を走るタラマンカ山脈に接し、コスタリカと二分するアミスタット国立公園やバルカン国立公園を含み、パナマで最も標高…
コイバ国立公園(2) この公園に私は、パナマ人とアメリカ人の友人2名と、実際に探検に行きました。その様子を以下の紀行文に記しています。 コイバ島探検記 コイバ国立公園は2005年7月に世界自然遺産に指定された。前からそこに行ってみたいと思っていたが…
コイバ国立公園(1) アスエロ半島の西側に位置して、陸地から快速船で2時間の所に、太平洋に浮かぶ島、コイバ島があります。パナマで一番大きな島、日本でいうと、佐渡ヶ島ぐらいです。ジャングルで覆われ、ほとんど人によって荒らされていない自然が守ら…
イグアナ島、カーニャ島野生生物保護区 イグアナ島とカーニャ島はパナマで唯一、太平洋側に突き出ているアスエロ半島の南端から数キロの沖合に出た島です。この半島はほとんど森林が伐採されて、牧場に取って代わられています。自然はあまり残されていません…
アルトス・カンパーニャ国立公園 パナマ市からインターアメリカハイウェイを西(コスタリカ方面)へ車で1時間半行って、北(大西洋側)に向かう脇道に入ります。そこから岩が砕かれて散らばったようなでこぼこ道をしばらく行くと、国立公園の入り口がありま…
ダリエン国立公園(3) ダリエンの旅 その2 面積60万ヘクタールもある国立公園である。 一回行っただけでこれがダリエンだ、と語り尽くせるものではない。いろんな顔を持っている。 ピレに行った後、再びダリエンに行く機会を得た。 今度は、ハーピーイ…
ダリエン国立公園(3) ダリエン視察旅行に妻が同行しました。彼女の視点から紀行文が描かれています。私が知らない裏話などもあり、それが旅行に深みが増しているのではないでしょうか。 ダリエンの旅 その1 パナマ観光局 IPATの モラレス氏との出会い…
ダリエン国立公園(2) 私たち夫婦とパナマ環境省のスタッフ2名と国境警備隊の兵隊5名とダリエン国立公園へ視察に行きました。下記はその時の紀行文です。 未踏の地ダリエンを探検して パナマのダリエン州はコロンビアとの国境にあり、面積約60万ヘクタール、…
ダリエン国立公園(1) パナマの公園の中では一番面積が大きく、パナマの東端で南米のコロンビアに接しています。熱帯雨林の面積も中米では一番です。早くから世界遺産に指定され、アメリカ大陸では最も野生生物が密集した、未だに踏み入れられていない秘境…
マドゥンガンジ(3) イグアナを食してしまいました(3) クラウディオのおばあさんの家にたどりついた時は、空腹も絶頂であった。 おばあさんは、上半身はだかで布を一枚ふわっとかけて焚き火の脇にちょこんとうずくまっていた。しわびた乳房が見え隠れし…
マドゥンガンジ(3) イグアナを食してしまいました(2) バヤノ湖を横切りイペティ川からピリヤ川を走るこのボートの旅はよかった。 川の両岸には水鳥、カワセミなどがたくさんいた。白ゴイサギが優雅に何かをつついていた。この鳥は、顔から首、胸にかけ…
マドゥンガンジ(3) バヤノ湖に注ぎ込んでいるピリア川を遡っていくと、観光客はおろか、パナマ人も入っていない地域の中に、一つの部落があります。先住民族のクナ族が居住するピリア部落です。かつて、スペイン人と戦った跡としか見られない城壁の上にあ…
マドゥンガンジ(2) パナマ市からパン・アメリカンハイウェイを車でダリエンの方向へ行くと、バヤノ湖にたどり着きます。バヤノ湖に行く途中で左折すると、人が入り込んでいないジャングルへと入っていきます。20Kmほど行くと、クナ族の自治区となっている…
先住民族居住区(マドゥンガンジ)(1) パナマ市からアメリカンハイウェイを東に向かって走ると、コロンビアとの国境近くにあるダリエン国立公園に行き着きます。パナマ市からダリエン国立公園入口まで約300kmあります。その中間に先住民族、クナ族が住ん…
サンロレンソ国立公園(3) 下記の紀行文はパナマ滞在時に娘とイスラグランデへ車で行った時のものです。 イスラ・グランデ紀行記 ポルトベーロから東へ15Kmにイスラグランデがある。15Kmだから車であっという間だろうと思うと、さにあらず、道路の…
サンロレンソ国立公園(2) チャグレス川がカリブ海にそそぐ河口にサンロレンソ要塞が築かれています。高い崖の上の岬の突端に陣取っていて、眼下にチャグレス川と湾を見下ろせます。どこから海賊が来ても追い払えるよう、いくつかの大砲が備え付けられ、地…
サンロレンソ国立公園(1) この公園はサンロレンソ要塞を囲んだカリブ海側の小さな地域を範囲にしています。パナマ市から運河に沿って北上すると、カリブ海側の運河の入り口にやってきます。その運河を橋で横切ると、車で10分ほどで、運河の突端にあるサン…
チャグレス国立公園(3) カリブ海側のパナマ運河入り口を起点に東と西に道路が分かれます。東側にチャグレス国立公園が広がり、入るとすぐシェラ・ジョローナロッジがあります。三つの国立公園の中心点で、カリブ海側の鳥や動植物が集中的に観察できます。…