バティスメントス海洋国立公園

 

 バスティメントス海洋国立公園はボカス・デル・トロ群島の中にあります。群島は約70の島から成り立ち、一番大きなコロン島に州都ボカス・デル・トロの町があります。バスティメントス島の周囲はサンゴ礁マングローブ、湿地帯、200種以上の魚などの海洋生態系が一番豊富なため、国立公園に指定されました。ボカス・デル・トロ州は、北はカリブ海、南はタラマンカ山脈が境となり、西はコスタリカに接しています。島々は白い砂浜とコバルトブルーの海、サンゴ礁マングローブに囲まれています。辺境の地なので、観光客は少なく、パナマ人もあまり訪れず、居住している人も少ないため、この地しか見られない野生生物が守られていて、数多く生息しています。大きな湿地帯があり、熱帯雨林が海岸線に沿って長く縦状に連なり、ジャングルと砂浜のコントラストは絶景です。海でのサーフィング、ダイビング、スノーケリングのスポットともなっています。特にバスティメントス島にしか生息していない赤い体に黒い斑点、体半分ずつ青と赤のヤドクガエルも見ることができます。

 1502年、コロンブスが最後の航海でボカス・デル・トロ群島を訪れた時、あまりの美しさにずっとたたずんで楽園だとつぶやいたそうです。太陽に照らされた海とジャングルの島々との対比が美しかったのでしょう。小さな転々とした島々は一面にジャングルに覆われています。よく見ると、白い砂でしか成り立っていない、海面すれすれの島によく木が生い茂るものだと不思議な感がします。19世紀の終わりにアメリカ人が入植し、バナナ産業を興しました。その後、一大産業となり、今も大量のバナナを海外に輸出しています。

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 イチゴヤドクガエルはヤドクガエルの中で一番小さく、体長1.2cmで、よく地面に近い葉の上に止まっています。毒も非常に強く、その毒を先住民族は毒矢に使っていました。繁殖は他のヤドクガエルと同じですが、葉の上に溜まっている水にオタマジャクシを入れ、水が少なくなれば、他の葉の上の水たまりに運んで栄養を与えながら育てます。