チャグレス国立公園(1)

 チャグレス国立公園はパナマ市から北東へ向かったチャグレス川流域地域にあります。パナマ運河に沿って、東側の太平洋側がソベラニア公園ですが、東側のカリブ海側がチャグレス公園です。運河に必要な水の80%を供給し、パナマ市民の水道水のすべてをまかなっています。森林がなければ、水を涵養できませんので、山を連ねる広大な森林地帯でもあります。運河の水を補給する人造湖マダン湖もこの中にあります。広さはソベラニア国立公園の約6倍もあります。パナマ市から一番近く、北東へ車で1時間の所に、数多くの非常に珍しい鳥が生息する地域が、チャグレス国立公園内にあるセロアスル、セロジェフェです。ここは、バードウォッチャーにとっては絶対に見逃せません。約1000メートルの山を囲んだすそ野で、寒い風で木々がすべて小さくなり、妖精のように見える珍しいところです。高い地形と気候の影響で、この地域でしかあまり見られないキンズキンフウキンチョウやチャガシラフウキンチョウ、ウロコフウキンチョウなど、フウキンチョウの種類が多く、青とオレンジの大型のアオハシキヌバネドリや全体が黄色で喉と羽が黒いムクドリモドキなどが印象的です。

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 朝早く、そんなに大きくない木の中間あたりに、ごそごそと葉が揺さぶられていました。そっと近づくと、青とオレンジの色が光で輝いて見える大型のキヌバネドリが止まっていました。非常に厳かな気持ちにさせられ、ここに来てよかったという気持ちでいっぱいになりました。

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 沢山の黒と黄色の小さなスミレフウキンチョウの中で、やや大きな、頭が金色で目の周りが黒いフウキンチョウが非常に目立っていました。頭が金色なので、冠を被った鳥の王様が来たような感じで威風堂々としていました。 見る人を引き付ける非常に珍しい色の鳥です。

 

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 この鳥の色の配色が素晴らしいです。はっきりと青と緑と茶色に体の色が三等分されています。真下からこの鳥を見たところ、腹が青いので青い鳥かと思いましたが、違った角度から見てびっくり。三原色がそろった鳥で、その美しさに驚きました。バードウォッチャーも釘づけにされていました。この地域で見た鳥は下記の如くです。

スミレガシラハチドリ        チャガシラフウキンチョウ 

ミドリキヌバネドリ         サザナミフウキンチョウ

アオハシキヌバネドリ        セアカフウキンチョウ

オオハチクイモドキ         オリーブフウキンチョウ

ビオニキバシリ           ズアカアリフウキンチョウ

シマバラマユミソサザイ       ノドアカアリフウキンチョウ

ハイバラブユムシクイ        キガタムクドリモドキ

キイロアメリカムシクイ       キンズキンフウキンチョウ

ナツフウキンチョウ        トクメン地域

ボルチモアムクドリモドキ      フナシスズメバト

ズグロミツドリ           ハイイロシャコバト

ルリミツドリ            ハイイロタイランチョウ

マミジロミツドリ          セアオモズモドキ

ズアオミドリフウキンチョウ     ズグロエンビタイランチョウ