パナマ探訪記

 初めに 

今から20年程前の1997年、中米の国パナマへ、そして12年間という長い滞在を終え、2009年帰国しました。その間、パナマの様々なところを見て歩きました。現在70に差し掛かり、二度と再びパナマに行くことはないだろうと思うと、無性に懐かしく思い出します。そこで、どこに行き、何を見、何を感じたのか、を書き記したいと思います。

 ただ20年も前のこと、その当時と今とでは環境が著しく変化しています。私がいたころは見ることができた鳥や植物も、現在ではどうなっているでしょうか。それも気がかりなことです。私の帰国後、パナマ運河が拡張され、森を切断してハイウエイが次々と建設されました。高層ビルの近代建築ラッシュが始まりました。結果、当然のことながら汚染も激しく、環境破壊も進んでいると聞いております。

 最初、まず私が驚いたことは、早朝、庭にやってくる鳥達の美しい合唱でした。私が居を構えた家は、パナマ市内の繁華街に近い住宅地です。鳥のさえずりで目を覚ますとは、日本ではまず考えられないこと。何と幸せなことでしょう。さっそく図鑑片手に調べてみました。パナマは鳥の数、またその種類が多いことを知り、そこからがぜん、熱帯の鳥や動物、自然に対する興味が湧いてきました。それがパナマ全国を回るきっかけとなったと思います。

 では、私が実際訪ね、見、観察した珍しい植物、鳥、動物を紹介していきたいと思います。その前に、私が言った地域がどこにあるのかをパナマの地図を通して知っていただきたいのでパナマ全図を掲載します。

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 家の庭にて

まず、私が住んでいたパナマ市から出発していきたいと思います。パナマ市はメトロポリタン国立公園があるところで、国が一番狭くなっている太平洋側の運河の出発点にあります。私の住所はラ・ローマ(丘)と呼ばれ、少し高台の住宅街で、庭の周りは囲いのため木が植えられています。そこになんと、サンショクキムネオオハシ、ムジボウシインコ、数種のモズやツグミ、8種のフウキンチョウなどがやってくるのです。朝の目覚めの合唱はツグミ類のものでした。ここパナマ市は市街地の中に国立公園があるという世界でも珍しい場所で、それだけ市が自然と密接しているというのでしょう。

 

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住んでいた家の庭で見られた鳥の種類を挙げてみます。

ムジボウシインコ           ミドリモズ

チャイクハチドリ           ウタイモズモドキ

サンショクキムネオオハシ       マミジロアメリカムシクイ

シマアリモズ(オス)(メス)     ナツフウキンチョウ

オリーブタイランチョウ        アカクロムクドリモドキ

ネズミハエトリ         ルリカタフウキンチョウ            

ムシミソサザイ            ヤシフウキンチョウ

イエミソサザイ            ソライロフウキンチョウ

バクムジツグミ            ノドジロフウキンチョウ

オリーブチャツグミ          コシアカフウキンチョウ

シコンヒワ              ホノオフウキンチョウ

カワラヒメウリ            ハジロフウキンチョウ

オナガクロムクドリモドキ(オス、メス)